Java EE 6に完全準拠した「WebLogic Server 12c」の提供が開始されて約1年。次世代の企業システム構築技術としてJava EE 6への評価が定まり、その活用が進もうとする中、特にエンタープライズ規模のJava EEシステムについて、開発から運用までのライフサイクル全般を強力にサポートする機能が盛り込まれたWebLogic Serverへの関心が、これまで以上に高まりつつある。2013年2月1日に都内で開催された「WebLogic Server 12c Forum 2013」の基調講演の内容から、WebLogic Server 12cの今後のロードマップも含めた最新トピックを紹介しよう。(編集部)
WebLogic Server 12c Forum 2013の基調講演に登壇したのは、来日した米国オラクル・コーポレーション Fusion Middleware Prduct Management担当シニア・ディレクターのマイク・リーマン氏だ。氏は「WebLogic Server 12cの現在と未来、そして新たな取り組み」と題した講演の中で、WebLogic Serverの最新情報や今後の展望を語った。以下、その中から主なものを紹介していこう。
リーマン氏は初めに、自身が担当するWebLogic Serverや「Oracle Coherence」、「GlassFish Server」、「Java EE」、そしてクラウド・サービスが、WebLogic Serverを中心にどう統合されるのかを説明した。次に示すのは、オラクルの各種ソリューションの中でWebLogiic Serverがどこに位置するかを示したものだ。
図中の「Cloud Application Foundation」とは、オラクルのパブリック・クラウドである「Oracle Cloud」をはじめ、さまざまなシステムの土台となる部分だ。WebLogic Serverはこの中で、CoherenceやTuxedoなどのFusion Middleware群と連携しつつ、高度な拡張性や堅牢性を備えたエンタープライズ・システム基盤の中核としての役割を担っている。
これは、機能的には製品版と同等のWebLogic Serverを、1人の開発者がデスクトップ環境でアプリケーションの開発やテストに利用できるというライセンスである。従来は、本番環境への展開を行う前提でアプリケーションを開発する場合、開発に利用するWebLogic Severについても有料のライセンスが必要だったが、デベロッパー・ライセンスの追加により、それが不要となったのである。
近年、Webブラウザやスマートフォンをクライアント環境に利用するシステムが増加しており、サーバ・サイドのJavaとリッチ・クライアントを組み合わせて、よりインタラクティブなアプリケーションを実現したいというニーズも急速に高まっている。
そうしたニーズに応えるべく、WebLogic Server 12cではHTML5の構成技術の1つであるWebSocketへの対応を進めている。
「WebSocketは、Java EE 7での対応が予定される技術だが、WebLogic Serverでは、それに先行して対応実装を提供しようと開発を進めている」(リーマン氏)
HTML5で採用された通信技術であるWebSocketは、サーバ/クライアントの双方向間におけるデータのプッシュ配信を可能にする。コネクション確立後の通信内容を簡素にすることで、高速かつ高効率な通信を実現しており、「従来のポーリング・モデルからのパラダイム・シフト」として支持を集めている。膨大な数のクライアントからのアクセスが想定されるアプリケーションにおいて、サーバやネットワークの負荷を大幅に減らし、ユーザビリティを高めるための技術として強く期待されているのだ。
WebLogic Server 12cのWebSocket対応の詳細について語ったのは、日本オラクルの新井庸介氏(Fusion Middleware事業統括本部)だ。氏は、実際にデモ用のTwitterクライアント・アプリケーションを動かして見せながら、エンタープライズ分野でWebSocketがどのように活用できるのか、そのために次期WebLogic Server 12cでどのような機能が用意されるのかを説明した。
「WebLogic Server 12cでは、エンタープライズ・アプリケーションでWebSocketを活用する具体的な方法を提供する。現在、新たなモジュールとして『TopLink Data Service』を計画しており、これを使うとデータベース側で行われた更新の状況をREDOログなどを通じてWebLogic Server側で検知し、その内容をアプリケーションに対してプッシュできるようになる。
このTopLink Data Serviceモジュールにより、WebSocketを用いてクライアントからサーバ、データベースまでを含めたエンド・ツー・エンドの通信を行うことが可能になる。クライアント側にはJSONのような扱いやすい形式でデータを配信し、HTMLやJavaScriptを主に扱うWeb開発者が、既存のスキル・セットを生かしてリアルタイムでリッチなアプリケーションを作れるような環境を用意したいと考えている」(新井氏)
Oracle RACとの連携に関しては、Oracle RACクラスタの動作状況が逐一WebLogic Serverに通知され、WebLogic Server側でそれに応じた最適な設定を自動的に行うことにより、トランザクションの最適化、パフォーマンスの向上、さらにはトラブル時のシームレスなフェールオーバーなどを実現できる。
「これは現在、高可用性を確保する目的から非常に人気を集めており、他のアプリケーション・サーバにはないWebLogic Server独自の機能でもある」(リーマン氏)
例えば、インメモリ・データ・グリッド製品であるOracle Coherenceとの連携だ。Oracle Coherenceによるデータ・キャッシュはCoherence単体でも利用できるが、WebLogic Serverとの統合によってキャッシュ・レイヤを集約することで、多数のアプリケーションのパフォーマンスを効果的に改善することが可能になる。国内では、全日本空輸(ANA)がOracle Coherenceを利用して航空券オンライン予約システムのパフォーマンスを向上させた事例がある。
なお、Oracle Coherenceは年内に次期バージョンのOracle Coherence 12cがリリースされる予定だ。Oracle Coherence 12cでは、GoldenGate Adapterを通じたデータベースとの同期や非同期バックアップなど、さまざまな新機能の追加が予定されている。もちろん、WebLogic Serverとの統合はさらに進むだろう。
また、最近では多くの企業が「Oracle Enterprise Manager 12c」を利用してWebLogic Serverの運用管理を効率化している。Oracle Enterprise ManagerによってWebLogic ServerとOracle Coherenceを統合管理することで、多くのドメインやクラスタを可視化/集約して管理し、そこで稼働するアプリケーションの状態を詳細に監視することができるのだ。
リーマン氏はなかでも特にお勧めの機能として、JVMの診断機能を挙げる。
「JVMのヒープ使用率やアクティブ・セッション数などの詳細な情報を可視化/監視することのできるこの機能は、ミッション・クリティカルなシステムで特に威力を発揮する」(リーマン氏)
加えて、Oracle Enterprise Managerは、WebLogic Serverのプロビジョニングやパッチの管理を行う機能も提供している。これら機能を使えば、複数ドメインのWebLogic Serverをより効率的に管理できるだろう。
Oracle Exalogic 2.0では、大容量のシリコン・ディスクやInfiniBandによる高速な内部接続などによって生まれるハイパフォーマンスをエンドユーザーが最大限に享受できるよう、OSや仮想化機構などのインフラ部分にも手を加えている。これにより、これまでWebLogic Server上で動作していたアプリケーションを一切変更することなく、Oracle Exalogicに乗せ替えるだけでパフォーマンスや可用性の大幅な向上を実現できるようになっている。ユーザーはインフラの移行に伴うリスクを避けつつ、Oracle Exalogicの導入を行えるのだ。従来の環境で開発を行い、本番環境として、よりハイパワーなOracle なExalogicを利用するといったケースも考えられる。
Oracle Cloudは、共通化されたインフラの上で、プラットフォーム・サービス(PaaS)やアプリケーション・サービス(SaaS)を提供するパブリック・クラウドだ。現在、提供されている、また今後提供が予定されているサービスには、下図に示すものがある。
図中の「Java Services(Java Cloud Service)」は、WebLogic Server上で提供される。開発者向け、運用者向けのクラウド・プラットフォームとしてサービスの拡充を進めており、現在はWebLogic ServerをベースにしたJava開発環境サービスとデータベース・サービスを利用できる。Java Services上で開発したアプリケーションは、Oracle Cloud上でも、オンプレミスのOracle ExalogicあるいはWebLogic Server上でも動作し、ユーザーは要件に最適な環境で利用することができるのだ。
また、Java Cloud Serviceの環境は、すでに提供されている「WebLogic for Private Cloud with Enterprise Manager Cloud Pack」を使うことで、自社のプライベート・クラウド上にまったく同じかたちで実現することもできる。Oracle Cloudと同一の環境を自社内に持つことが可能なのだ。この環境では、Javaアプリケーションの配備やアプリケーション・ライフサイクル管理のセルフサービス化、リソース利用量の測定や課金など、Oracle Cloudと同様の機能を利用することができる。
なお、Java Cloud Serviceを含むOracle Cloudの詳細については、4月9日に開催される「Oracle CloudWorld Tokyo」で説明される予定だ。
Java EEに関しては、2013年春に次期バージョンであるJava EE 7のリリースが予定されている。Java EE 7のテーマは先にも紹介したHTML5対応と、さらなる生産性の向上だ。生産性向上に関しては、APIのシンプル化や、より広範なDependency Injectionの導入などによって実現される。
一方、WebLogic Serverに関しては、今後もJava EEでサポートされる先進技術をいち早く取り込むのに加えて、ミッション・クリティカル・システム基盤としての可用性やパフォーマンスを、オラクルの他のミドルウェア製品との連携性も生かしながら強化していく。次に示すのは、WebLogic Serverを含むCloud Application Foundationのロードマップである。
「2013年は春以降、Cloud Application Foundationの製品全体を12cに対応させていくことを計画している。WebSocket対応といった先進機能を先行して取り入れるとともに、Java SE 8への対応もいち早く進める。クラウド関連の機能についても、Java EE 8仕様の標準化の動向を見ながらスピーディに取り込んでいく」(リーマン氏)
このように、今年から来年にかけ、WebLogic Serverの周辺では新たなイノベーションが数多く計画されている。ユーザー諸氏には引き続き、その動向にご注目いただきたい。
Cloud Application Foundationの中核となる「WebLogic Server」
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米国オラクル・コーポレーション Fusion Middleware Prduct Management担当シニア・ディレクターのマイク・リーマン氏
リーマン氏は初めに、自身が担当するWebLogic Serverや「Oracle Coherence」、「GlassFish Server」、「Java EE」、そしてクラウド・サービスが、WebLogic Serverを中心にどう統合されるのかを説明した。次に示すのは、オラクルの各種ソリューションの中でWebLogiic Serverがどこに位置するかを示したものだ。
図中の「Cloud Application Foundation」とは、オラクルのパブリック・クラウドである「Oracle Cloud」をはじめ、さまざまなシステムの土台となる部分だ。WebLogic Serverはこの中で、CoherenceやTuxedoなどのFusion Middleware群と連携しつつ、高度な拡張性や堅牢性を備えたエンタープライズ・システム基盤の中核としての役割を担っている。
開発者向けの無料ライセンスの提供を開始
このように、パブリック・クラウドも含めたオラクルのシステム基盤においてますます重要な役割を担うようになったWebLogic Serverをより多くの開発者に利用していただくべく、オラクルは新たなライセンスの提供を開始している。Oracle Technology Networkを通じて入手できる無料の「デベロッパー・ライセンス」だ。これは、機能的には製品版と同等のWebLogic Serverを、1人の開発者がデスクトップ環境でアプリケーションの開発やテストに利用できるというライセンスである。従来は、本番環境への展開を行う前提でアプリケーションを開発する場合、開発に利用するWebLogic Severについても有料のライセンスが必要だったが、デベロッパー・ライセンスの追加により、それが不要となったのである。
WebLogic Serverで進むHTML5への先行対応
より多くの開発者に使っていただくための別の取り組みとして、最新の技術をWebLogic Serverに取り込むことも積極的に行っている。リーマン氏は、その一例としてHTML5対応の取り組みを紹介した。近年、Webブラウザやスマートフォンをクライアント環境に利用するシステムが増加しており、サーバ・サイドのJavaとリッチ・クライアントを組み合わせて、よりインタラクティブなアプリケーションを実現したいというニーズも急速に高まっている。
そうしたニーズに応えるべく、WebLogic Server 12cではHTML5の構成技術の1つであるWebSocketへの対応を進めている。
「WebSocketは、Java EE 7での対応が予定される技術だが、WebLogic Serverでは、それに先行して対応実装を提供しようと開発を進めている」(リーマン氏)
HTML5で採用された通信技術であるWebSocketは、サーバ/クライアントの双方向間におけるデータのプッシュ配信を可能にする。コネクション確立後の通信内容を簡素にすることで、高速かつ高効率な通信を実現しており、「従来のポーリング・モデルからのパラダイム・シフト」として支持を集めている。膨大な数のクライアントからのアクセスが想定されるアプリケーションにおいて、サーバやネットワークの負荷を大幅に減らし、ユーザビリティを高めるための技術として強く期待されているのだ。
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WebLogic Server 12cのWebSocket対応について説明した日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部の新井庸介氏
「WebLogic Server 12cでは、エンタープライズ・アプリケーションでWebSocketを活用する具体的な方法を提供する。現在、新たなモジュールとして『TopLink Data Service』を計画しており、これを使うとデータベース側で行われた更新の状況をREDOログなどを通じてWebLogic Server側で検知し、その内容をアプリケーションに対してプッシュできるようになる。
このTopLink Data Serviceモジュールにより、WebSocketを用いてクライアントからサーバ、データベースまでを含めたエンド・ツー・エンドの通信を行うことが可能になる。クライアント側にはJSONのような扱いやすい形式でデータを配信し、HTMLやJavaScriptを主に扱うWeb開発者が、既存のスキル・セットを生かしてリアルタイムでリッチなアプリケーションを作れるような環境を用意したいと考えている」(新井氏)
Oracle RACとの統合による可用性と信頼性の向上
エンタープライズ・システムに求められる「高可用性」と「高信頼性」の観点では、「Oracle Real Application Clusters(RAC)」との連携を実現する「Active GridLink for RAC」と、「Active Data Guard」、「Oracle GoldenGate」による高度なトランザクション管理、多重化が利用できる点がWebLogic Serverの大きな強みとなる。Oracle RACとの連携に関しては、Oracle RACクラスタの動作状況が逐一WebLogic Serverに通知され、WebLogic Server側でそれに応じた最適な設定を自動的に行うことにより、トランザクションの最適化、パフォーマンスの向上、さらにはトラブル時のシームレスなフェールオーバーなどを実現できる。
「これは現在、高可用性を確保する目的から非常に人気を集めており、他のアプリケーション・サーバにはないWebLogic Server独自の機能でもある」(リーマン氏)
オラクル製品との統合が生むさまざまなメリット
オラクルの他の製品とWebLogic Serverの緊密な統合が生み出すメリットはほかにもある。例えば、インメモリ・データ・グリッド製品であるOracle Coherenceとの連携だ。Oracle Coherenceによるデータ・キャッシュはCoherence単体でも利用できるが、WebLogic Serverとの統合によってキャッシュ・レイヤを集約することで、多数のアプリケーションのパフォーマンスを効果的に改善することが可能になる。国内では、全日本空輸(ANA)がOracle Coherenceを利用して航空券オンライン予約システムのパフォーマンスを向上させた事例がある。
なお、Oracle Coherenceは年内に次期バージョンのOracle Coherence 12cがリリースされる予定だ。Oracle Coherence 12cでは、GoldenGate Adapterを通じたデータベースとの同期や非同期バックアップなど、さまざまな新機能の追加が予定されている。もちろん、WebLogic Serverとの統合はさらに進むだろう。
また、最近では多くの企業が「Oracle Enterprise Manager 12c」を利用してWebLogic Serverの運用管理を効率化している。Oracle Enterprise ManagerによってWebLogic ServerとOracle Coherenceを統合管理することで、多くのドメインやクラスタを可視化/集約して管理し、そこで稼働するアプリケーションの状態を詳細に監視することができるのだ。
リーマン氏はなかでも特にお勧めの機能として、JVMの診断機能を挙げる。
「JVMのヒープ使用率やアクティブ・セッション数などの詳細な情報を可視化/監視することのできるこの機能は、ミッション・クリティカルなシステムで特に威力を発揮する」(リーマン氏)
加えて、Oracle Enterprise Managerは、WebLogic Serverのプロビジョニングやパッチの管理を行う機能も提供している。これら機能を使えば、複数ドメインのWebLogic Serverをより効率的に管理できるだろう。
Oracle Exalogicで得られる圧倒的なパフォーマンス
WebLogic Serverに関しては、ミドルウェア・マシン「Oracle Exalogic Elastic Cloud 2.0」の存在も忘れてはならない。2012年のOracle OpenWorldで発表された最新のOracle Exalogicは、メモリやCPUが強化され、「箱から出してすぐに使える」プライベート・クラウド基盤としてさらに洗練されたものとなった。アプリケーションの集約率やパフォーマンスは大幅に向上し、アプリケーションの配備も95%以上高速に行えるようになっている。Oracle Exalogic 2.0では、大容量のシリコン・ディスクやInfiniBandによる高速な内部接続などによって生まれるハイパフォーマンスをエンドユーザーが最大限に享受できるよう、OSや仮想化機構などのインフラ部分にも手を加えている。これにより、これまでWebLogic Server上で動作していたアプリケーションを一切変更することなく、Oracle Exalogicに乗せ替えるだけでパフォーマンスや可用性の大幅な向上を実現できるようになっている。ユーザーはインフラの移行に伴うリスクを避けつつ、Oracle Exalogicの導入を行えるのだ。従来の環境で開発を行い、本番環境として、よりハイパワーなOracle なExalogicを利用するといったケースも考えられる。
Oracle Cloudの重要な基盤となるWebLogic Server
リーマン氏は、オラクルが近年、注力している「Oracle Cloud」とWebLogic Serverのの関係性についても言及した。Oracle Cloudは、共通化されたインフラの上で、プラットフォーム・サービス(PaaS)やアプリケーション・サービス(SaaS)を提供するパブリック・クラウドだ。現在、提供されている、また今後提供が予定されているサービスには、下図に示すものがある。
図中の「Java Services(Java Cloud Service)」は、WebLogic Server上で提供される。開発者向け、運用者向けのクラウド・プラットフォームとしてサービスの拡充を進めており、現在はWebLogic ServerをベースにしたJava開発環境サービスとデータベース・サービスを利用できる。Java Services上で開発したアプリケーションは、Oracle Cloud上でも、オンプレミスのOracle ExalogicあるいはWebLogic Server上でも動作し、ユーザーは要件に最適な環境で利用することができるのだ。
また、Java Cloud Serviceの環境は、すでに提供されている「WebLogic for Private Cloud with Enterprise Manager Cloud Pack」を使うことで、自社のプライベート・クラウド上にまったく同じかたちで実現することもできる。Oracle Cloudと同一の環境を自社内に持つことが可能なのだ。この環境では、Javaアプリケーションの配備やアプリケーション・ライフサイクル管理のセルフサービス化、リソース利用量の測定や課金など、Oracle Cloudと同様の機能を利用することができる。
なお、Java Cloud Serviceを含むOracle Cloudの詳細については、4月9日に開催される「Oracle CloudWorld Tokyo」で説明される予定だ。
4月9日に「Oracle CloudWorld Tokyo」開催!詳しくはこちらのサイトへ!!
今春以降も引き続き、さまざまなイノベーションが──Java EE、WebLogic Serverの今後
リーマン氏は最後に、Java EEに関する今後の取り組みの予定と、WebLogic Serverのロードマップを紹介した。Java EEに関しては、2013年春に次期バージョンであるJava EE 7のリリースが予定されている。Java EE 7のテーマは先にも紹介したHTML5対応と、さらなる生産性の向上だ。生産性向上に関しては、APIのシンプル化や、より広範なDependency Injectionの導入などによって実現される。
一方、WebLogic Serverに関しては、今後もJava EEでサポートされる先進技術をいち早く取り込むのに加えて、ミッション・クリティカル・システム基盤としての可用性やパフォーマンスを、オラクルの他のミドルウェア製品との連携性も生かしながら強化していく。次に示すのは、WebLogic Serverを含むCloud Application Foundationのロードマップである。
「2013年は春以降、Cloud Application Foundationの製品全体を12cに対応させていくことを計画している。WebSocket対応といった先進機能を先行して取り入れるとともに、Java SE 8への対応もいち早く進める。クラウド関連の機能についても、Java EE 8仕様の標準化の動向を見ながらスピーディに取り込んでいく」(リーマン氏)
このように、今年から来年にかけ、WebLogic Serverの周辺では新たなイノベーションが数多く計画されている。ユーザー諸氏には引き続き、その動向にご注目いただきたい。