"ヘッドカウントや人件費のシミュレーションをしたい"
という声をお客様からよく頂きます。このような場合、考えられる選択肢は以下のようなものです。
- 現在使われているシステムでは対応できない。アドオン(追加開発)する。
- 別途、シミュレーション機能を持った製品を購入していろいろな分析機能やシナリオを作りこむ。
どちらのパターンも構築・維持費が掛かります。一方で、お金をかけたくない場合は、
- 必要な情報をシステムから表計算ソフトに抜き出して、シミュレーションのためのシナリオを手作業で行う。
というやり方です。人事部では、Excelの知識が長けた方が多いのも頷けます。
しかし、最近ではグローバル展開している先も含めて全体を見たいという要件や、新しい拠点を立てる際の計画に過去の事例を元にシミュレーションしたい等、要件は時とともに広がり、表計算での手作業は厳しくなってきているのではないでしょうか。
人件費をシミュレーションする際に必要なのは
- 各要員の属性データ
- 人件費実績データや理論値ベースの待遇データ
- 分析の軸(組織階層とか要員のタイプ、役職/職務/等級等の構造定義)
- シミュレーションの式やパラメータ
などです。
シミュレーション式やパラメータを別にすると、ERP系の人事ソフトはこれらの情報をちゃんと管理する仕組みになっています。この情報をそのまま使えばシミュレーションの寸前まではいけるはずです。データの持ち方は製品によって決まっていますから、日本で一般的に使う部分をテンプレート化してしまえばプロトタイプとしては十分、あとは各社独自の軸を追加したりシミュレーションシナリオを複雑化したりして実用化し、さらに時とともにノウハウを組み込んで精緻化させていきます。
オラクルではこういったテンプレートをHyperion等のアプリケーションで提供していますが、もっと手軽にできる仕組みができました。パートナーであるCSE様が開発したPeopleSoft HCMと多次元分析ツールEssbaseを連携させるソリューションです。このテンプレートには簡単なシミュレーションシナリオまで入っていますので、PeopleSoftのHCMのデータさえあればすぐプロトタイプを動かせます。(Essbaseのサーバ/クライアントをお持ちでない場合、追加で導入が必要です。)
EssbaseはExcel上で多次元分析するツールで、元々コストや売上の分析や予測のために作られた製品です。いろいろな分析軸を階層式に準備できること、その軸を切り替えながらブレークダウンできること、複数シナリオのシミュレーションに対応しやすいことなどが特徴です。
Essbaseを使うためには通常データ分析のための構造定義と分析データ定義が必要になりますが、この部分はPeopleSoft HCMの持っているデータをそのまま流し込めば設計も設定も不要です。今回のソリューションでは、PeopleSoftのデータを流し込むためにPeopleTools 8.52のCube Builderというツールを使っています。
システムや業務を見直す際のお勧めソリューションです。是非ご検討ください。
関連情報:
オラクルのプレスリリース(12/5): 日本オラクル、ERP製品「PeopleSoft Enterprise」の予測分析機能を強化
CSE様のページ: 人件費予算ソリューション
(テンプレートで提供しているシミュレーション画面イメージがあります。)
ITProニュース: 人件費の変動予測を支援、CSEがPeopleSoft向けテンプレート
Oracle Essbaseのページ: 米オラクルのサイトであれば購入もできます。