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WebLogic Server 12cで共通アプリケーション基盤を構築し、企業のシステム開発/運用管理を効率化──CTCの「AP Pool」

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アプリケーション・サーバとして最新の「WebLogic Server 12c」を採用し、システム開発の迅速化や運用管理負担やコストの軽減を実現するアプリケーション統合基盤として伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が提供しているのが「AP Pool」だ。同基盤の提供に至った背景やWebLogic Server 12cを採用した理由などについて、同社ITエンジニアリング室ミドルウェア技術部アプリケーション基盤技術課の岸純一氏に聞いた。(編集部)

アプリケーション基盤の統合で開発や運用の課題を解消

伊藤忠テクノソリューションズ ITエンジニアリング室ミドルウェア技術部アプリケーション基盤技術課の岸純一氏
 「グループ会社や事業部ごとにシステムが乱立しており、サービス開発や運用を効率化できない」──そんな課題を抱える企業に対してCTCが提供しているのがAP Poolである。これはアプリケーション・サーバを軸にシステムを統合し、システムの設計や構築、運用の各フェーズにおける負担を軽減することを目的としたソリューションだ。

 AP Poolを開発した背景について、CTCの岸氏は次のように説明する。

 「ここ数年間のITインフラの動向を見ると、サーバの設置台数は着実に増加し、それに伴ってサーバ管理コストや電源/空調コストは増加の一途をたどっています。その一方で、サーバ1台当たりの処理能力が向上したことにより、CPUやメモリなどのリソースに余剰が生じているケースが少なくありません。そこで、ITインフラのリソースを有効に活用するという観点から、アプリケーションの統合基盤として開発したのがAP Poolなのです」(岸氏)

 コスト削減やリソースの有効活用という背景に加えて、システム開発や運用上の課題を解決したいというニーズも強かったようだ。

 「今日の企業におけるシステム開発は、新しい技術を調査するための時間を十分に割けない、あるいは設計や構築、運用のプロセスが標準化されていないなど、さまざまな課題に直面しています。また、ITインフラが標準化されていないことも問題となっており、新たなシステムを立ち上げる度にハードウェアやOS、各種ミドルウェアなどの評価や選定を行う必要があり、開発期間が長期化する要因となっています」(岸氏)

 これらの課題を解決するため、AP Poolは各アプリケーションで共通に利用できる統合プラットフォームを提供する。マルチベンダー環境で技術的に留意すべき設計ポイントをすべて体系化したほか、ハードウェア/ソフトウェアは同社が擁する国内最大級の検証施設「CTCテクニカルソリューションセンター(TSC)」で検証されている。

 このAP Poolを複数のアプリケーションで共通に利用することにより、サービスごとにハードウェアやOS、ミドルウェアを選定する必要がなくなり、またインフラが共通化されることによって運用業務の負担も大幅に軽減できる。サーバ・リソースを有効に活用することが可能となるため、サーバの台数を削減できることも大きなメリットだろう。

最新のJava EE標準に準拠したWebLogic Server 12cを中核に採用

 AP Poolの具体的なアーキテクチャだが、ハードウェアはコスト・パフォーマンスの高いIAサーバに共有ストレージを組み合わせるという構成になる。これにハイパーバイザを用いた仮想化基盤を組み込み、OSにはLinuxを利用する。

 そして、AP Poolの核となるアプリケーション・サーバとして採用されているのが、WebLogic Server 12cである。同サーバを採用した理由を、岸氏は次のように説明する。

 「まず大きいのが、オラクルはJavaの標準にいち早く対応しており、最新のテクノロジーを活用できることです。WebLogic Server 12cはJava EE 6とJava SE 7に準拠しており、これら最新の仕様に従ってアプリケーションを開発することで開発生産性を高められます。また、高性能であること、そして信頼性が高いことも大きなポイントになりました。特に信頼性に関しては、世界中の企業で運用実績があるので、お客様にも安心してお勧めすることができます」(岸氏)

オラクル製品との親和性の高さも魅力

 運用管理のためのツールが豊富に提供されていることも、AP Poolの大きな魅力である。WebLogic Server 12cは、障害の原因を分析するためのツールとして「Oracle JRockit Mission Control」や「JRockit Flight Recorder」を提供しており、トラブル時の迅速な対応を可能にしている。もちろん、AP Poolでもこれらのツールを利用して運用管理を効率化できる。

 加えて岸氏がメリットとして強調するのは、その他のオラクル製品との相性の良さである。

 「例えば、Oracle Databaseには、クラスタリング構成でデータベースを運用できる『Oracle Real Application Clusters(RAC)』という仕組みがあります。WebLogic Server 12cでは、このクラスタリング構成を意識することなくOracle RACにアクセスできるActive GridLink for RACという仕組みを使えるというメリットがあります。

 また、『Oracle Coherence』と組み合わせてWebLogic Serverを高速化したり、『Oracle Enterprise Manager』を使ってオラクル製品で構成された環境を一元的に管理したりといった具合に、さまざまな製品を組み合わせてお客様の課題に柔軟に対応できることも大きな強みとなっています」(岸氏)

 組織ごとにサイロ化したシステムを統合してITリソースの利用効率を高めることは、現在、多くの企業において重要課題の1つとなっている。AP Poolを利用すれば、WebLogic Server 12cによる最新のJava EE環境上にアプリケーション資産を統合し、さらにオラクルの各種製品、そしてCTCの豊富なノウハウを組み合わせることで、運用とコストの両面において極めて効率の高いシステムを実現することができる。アプリケーション層まで含めた効果的なシステム統合の手段を探している企業にぜひ検討していただきたいソリューションだ。


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